グラフィックデザイナー・美登英利が追求するのは、伝統的な型にとらわれない「書く」から「描く」へ、そして空間の質感や手触りとが深く響きあう「情景」へと立ちあがらせるような独自の書のスタイルです。
漢字のオリジンである「絵」へと文字を還元し、思考のフィルターを外して文字本来の意味を探り出す、いわば文字を絵に返すということを模索してきました。
本展で紹介する『山』いう文字は中心が高くなった縦三本の線がそれぞれ頂を表します。この骨格を剥ぎ出しにし、肉付けを施すことで、文字に絵画的な表情と季節の情景を宿らせています。春のやさしく穏やかな表情や、冬の厳寒に孤高に聳える佇まい。美登自身の人生観や自然観が重ね合わされた文字は、記号を超えて一つの「風景」として立ち現れます。


デザインの感性と、書がもつ一筆の偶然性。そのふたつが交差する地点で生み出された作品は、文字の奥に潜む精神性と豊かな情感を物語ります。型を離れ、文字本来の姿へと解き放たれた『山』。グラフィックとしての新たな造形構造と可能性をぜひご覧ください。


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会期中は作家本人がSHOSYOに在廊し、公開制作を予定しています。
会場では作品『山』の展示をはじめ、原画や書籍の販売、貴重な資料の展示を予定しています。
小さなスペースですが、みなさまのお越しお待ちしています。

